2014年長野県神城断層地震震災アーカイブ公開にあたって

この度2014年神城断層地震4周年(の前日)にあたる2018年11月21日17時より、神城断層地震震災アーカイブサイトの公開を開始いたします。神城断層地震震災アーカイブの作成は、小谷村、白馬村、信州大学の共同研究として、2017年度から始まったもので、2014年地震の記録や記憶をデジタルデータ化してインターネットで公開しながら保存・活用していく取組みです。具体的にはWeb-GIS(インターネット上で動く地理情報システム)を用いた地図データベース上に、発災時の様子を写真や動画、村民へのインタビューとして保存し、発災時に村がどのようになったのか、人々はどう考え行動したのかを余すところなく記録していきます。加えて復旧期、復興期、その後についても、村の変遷や生の声を写真や動画、インタビューで遺し記録していきます。

またアーカイブではこれら収集された情報を用いて将来の災害に備えることをめざしています。具体的にはアーカイブの情報を用いた学校における防災教育、村民の生涯学習や地域防災への活用などがあります。これら活動によって、たとえば地域の危険や避難所などを載せた防災マップや要支援者マップ、各種災害情報などを重ねて使っていくことができます。また学校教育ではアーカイブを用いた授業カリキュラムの開発と授業実践などを予定しています。これら活動を通じて、震災アーカイブを学校や地域が主体的に使っていくことを意図しており、将来的には学校や地域が活動の成果を自らアップロードし、データを更新し続けていける自立的な運用を目指しています。従って今回の一般公開開始は、サイトの完成を意味するものではなく、文字通り開始を意味するものです。

村民の皆様には、地域での防災活動や学校での防災教育などに積極的に震災アーカイブをご活用いただき、2014年の教訓を生かす形で地域防災力の向上が図られることを願っています。震災アーカイブの主役はあくまでも村の皆様です。行政や大学はこれを陰ながら支援する仕組みや機会を提供し、寄り添いながら応援していく所存です。

 

2018年11月21日

信州大学教育学部・教授 廣内大助